内服治療
内服療法
内服療法
治療の基本は内服です。しかし、漫然と内服していても仕方ありません。服用しても効果のない薬は止めることが大切です。
痛み治療に関しての薬だけでもかなりの数があります。
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
痛み止めの基本です。腰・肩・膝・頭・喉の痛みなどには、この薬が処方されるはずです。
多くの場合よく効きますし、それほど副作用もないので問題ないはずです。しかし、加齢による疾患は治らないので、服用し続けなくてはなりません。そうなると投薬期間が長期に及び、胃に負担がかかることが多く、注意が必要です。
また、NSAIDsの中にもいろんなタイプがあります。効き目は強いが副作用の多いタイプ、効果は弱いが副作用もあまりないタイプ、長時間効くタイプ、早く効くタイプなどでしょうか。自身の体質にあった薬選びが大切です。
アミトリプチン(抗うつ薬)
麻酔科では一般的にアミトリプチンを鎮痛のために使用します。
元々はうつ病の薬ですので、効果・効能書きにはうつ病と記載があるはずです。痛みを長い間患うと誰しもうつ状態になるので、ちょうど良い薬と言えます。
しかし、うつ病に対してこの薬を処方することは当院ではまずありません。この薬のもうひとつの特徴として、ゆっくりですが痛みにも効果があり、かつ夜良く眠ることができるようになることで体を整える効果があります。
世間的には鎮痛補助薬といわれる薬です。副作用として、眠気・尿排出不良・口渇などがあります。
ノイロトロピン
とても不思議な薬です。痛みを止める薬ですが、NSAIDsほど効果がありません。
しかし、止めるとやっぱり効いていたんだな、と後から思うことができる薬でしょう。いぶし銀ですね。この薬の良いところはほとんど副作用がないことです。
Naチャネルブロッカー
ぴりぴりしたような表面の痛みに対してよく使われる痛み止めです。元々不整脈の薬です。
副作用として肝機能障害があります。
カルバマゼピン
引きつるような痛みや電撃痛などに対して使用する薬物です。
副作用として皮疹や肝機能障害などがあります。
漢方薬
中国には何千もの漢方薬が存在します。日本で製品化されているものはその内わずか100種類程度でしょうか。もちろんもっと多くの漢方薬を入手することは可能です。西洋医学で治療に行き詰まり、治療を諦めなくてはならないことがあります。漢方では治療を諦めるということが無いのではないでしょうか。
「症状をなくす」ということも大切なことですが、漢方薬は「症状だけでなく、その人全てを見ることで、全身を治療する」と考えれば考えやすいでしょうか。どこかが痛くても、痛みとは一見何の関係もなさそうな漢方薬が処方されたりします。
また、一般に漢方薬はゆっくり効くと考えられがちですが、漢方薬にも即効性を示す薬もあります。
さらに、漢方薬にも副作用は存在します。間違った飲み方をすると、かえって体調を崩してしまうこともあります。(ただし、一旦症状が悪くなって、快方に向かうということも漢方の世界ではあります。)
その他
その他数多くの薬が存在します。それらを組合して治療を進めてきますが、時にはどの薬が効いているのか分からないくらい多くの薬を服用している患者さんがいたり、服用することで症状をかえって悪くしている患者さんもいます。そのような時には薬を一旦やめてみることが必要です